その3—統合環境制御に期待すること

摘要

このような基本的に過ぎると思われる項を 設けたのは、我が国の現状をここに書き留め ておきたいためである。最近、多くの生産者が電子式の温湿度センサ、co2センサ、日射センサなどのセンサを温室に設置し、データ収集してパソコン上で それらを表示させるようになつてきた。これ らは、「温室環境の見える化」と呼ばれ、導 入者からは「勘に頼らず、数値による管理が できるようになった。」、「今まで分からな かった温室環境が分かるようになった。」な どの、目から鱗が落ちた、というほどの声が 上がっている。しかし、このことは我が国の 生産者が自分たちの生産環境の把握につい て、今までいかに無頓着であつたかを示して いると同時に、啓蒙すべき立場にある、私を 含む研究者、技術者、温室関連企業に対する 努力不足を指摘していることになる。