在室者の調整行動を利用したアクティブ空調制御システムによる 室内環境と省エネ性能に関する研究－その3 室内機を個別に制御した場合の夏期実測結果

摘要

本研究では、既存の中小建築物にも容易に設置でき、また省エネに伴う室内環境の悪化を低減可能なアクティブ空調制御システムを開発している。前報では、本システムの概要、会議室と執務室において本システムを導入した際の制御状況を示した。その結果、本システムによって緩やかな外気温の変化に対応した空調制御が実現可能であることが示された。一方、複数の室内機がある執務空間では、座席位置による在室者の温熱環境改善要望（以降、温熱要望）の不均一性が課題として明らかになった。本報では、改善策として開発された「室内機の個別制御方式」を夏期に執務室で運用した際の制御結果を示す。加えて、実測結果から温熱環境、アンケート調査から在室者の心理的側面を評価し、2013年の制御（前報）と比較考察する。