水稻育苗ハウスを利用した移設可能な野菜の 低コスト養液栽培システム

摘要

島根県では、農業の 担い手不足を解消す るため、集落営農の組 織化を進めてきた。し かし、水稲主体の経営が多く、組織の経営を発展させるためには、 経営の多角化が重要な課題である。そこで、島根県農業技術センタ一では、集 落営農の経営多角化などに役立てるため、水 稲育苗後の遊休期間に設置できる移設を可能 にした野菜の低コスト養液栽培システムの開 発-普及に取り組hできた。本システムは、 培地を入れる栽培槽に発泡スチ口 —ル製鮮魚 箱（トロ箱）を、また、培地も軽量なものを 用いて、養液栽培ならではの省力性、ク リーン性を保ちつつ、低価格と栽培槽の移 設を実現したものである。本稿では、適用可 能な品目、作型および栽培技術、現地への普 及状況について、その概要を紹介する。