わが国における施設園芸産業の課題と活性化

摘要

野菜、花き、果樹を含めたわが国の施設面積は、戦後一貫して成長し続けて、1999（平成11）年には5万3千haにまで増加した。 それに雨よけ施設とトンネルを併せると、11万4千haが日本の施設園芸を支えていたことになる。 これが、日本の農業生産の発展は言うまでもなく、野菜の安定生産と周年供給等を通じて、国民の食生活の向上に多大な貢献をしてきたことは高く評価されているところである。しかしその後、面積、農家数とも減少傾向に転じている。 一方で、新規に就農したい、あるいは施設園芸を始めたいという人々も結構いるようである。 また、新しい傾向として、50a以上の施設面積を有するような規模の大きな経営体の数が増している。 わが国における施設園芸産業の課題を探りながら、活性化を展望してみたい。