清酒と酒粕，焼酎と焼酎粕-焼酎粕の有効利用-

摘要

1980年代から現在に至るまでの焼酎ブームにより，焼酎は日本の代表的な蒸留酒としての地位を確立した．その製造量の増加に伴って焼酎蒸留廃液（以後，焼酎粕とする）の排出量も増加し，南九州における焼酎粕発生量は平成14年酒造年度で約46万klに達している．食品リサイクル法の施行により，焼酎粕の有効利用法を開発して環境への負荷を軽減することがこれまで以上に強く求められている．焼酎粕は，BODが34，000～84，000ppmの高濃度有機性廃水であるために処理が困難であり，これまで海洋投棄や陸上処分としての焼却，メタン発酵処理，飼料化などが行われてきた．しかし，処理コストが高くつくなど問題点は多い．