溶存酸素濃度制御による栽培漁業用餌料ワムシの超高密度培養法の開発と実用化

摘要

地球環境汚染や乱獲の影響により天然水産資源は世界的な減少傾向にある．水産資源の回復，管理のため，現在世界各国で養殖と栽培漁業が推進されている．栽培漁業とは，種苗である魚貝類仔稚魚の生産と放流，沿岸域での育成管理などにより種苗の生存率を高め，水産資源を積極的に増やそうとする漁業の在り方である．日本では1963年，国が中心となり，瀬戸内海をモデル海域として栽培漁業が始められ，1979年以降は全国沿岸域への拡大が図られ，栽培漁業は確実な発展を遂げた．現在，国内の種苗生産機関の数は，国の栽培漁業センターが16カ所，都道府県の栽培漁業センターが53カ所，民間の種苗生産機関がおよそ100ケ所の情動している．