森林組合における森林情報整備と間伐計画への応用

摘要

本研究は、地域森林の適切な管理と二持続的利用を推進する事業体と位置づけられている森林細合など林業事業体を主対象として、森林情報データベースを整備する方法を開発するとともに、そのデータベースを森林討画策定等に利用する方法を明らかにしたものである。 まず、全国森林討画、地域森林討画、市町村森林整備討画、森林施業討画の各討画策定で利用される森林情報を摘出した。この結果、森林施業討画策定には、これまで利用していると考えられていた森林簿ではなく森林施業討画書に包括されている「森林の現況並びに伐採、造林討画」が主に利用されている実態を指摘した。 次に、林業事業体における森林情報データベースを整備する方法を開発するとともに、GIS（Geographic Information System：地理情報システム）の利用について検討した。 このシステムを利用して、伐採計画の一つである間伐討画の策定方法を示した。 熊本県球磨村森林組合第47団地共同森林施業封画区に対して、これまでの間伐施業の動向とこの間伐について集材機械を変化させた場合ならびに集団化した場合の各間伐収益の比較等を行った結果、間伐は作業道から片側約100mの範囲で実施されていること、森林所有者が個別に間伐を実施するより集団化した方が間伐収益は高くなること、従来の集材機を使用する場合よりスイングヤーダを用いた力が収益の高くなること等が明らかになった。