黒毛和種去勢牛における全肥育期問を通じたイネホールクロツプサイレージの給与が血中ビタミン濃度と肉質に及ぼす影響

摘要

黒毛和種の肥育では脂肪交雑を高めるために肥育中期にビタミンAの給与量を制限する飼養が一股的に行われているが，予乾しない稲ホールクロツプサイレージ（イネWCS）はイナワラに比べてβカロテンを多く含むため，給与時期や給与量と血中ビタミン濃度や肉質との関係解明が求められている。 我々は肥育後期の10ヶ月間にイネWCSを多給した場合，血中ビタミンA濃度はイナワラ給与よりも高い濃度で推移するが，肉質には大きな差がないことを明らかにした（篠田ら：2002．東北農業研究成果情報16：367）。 しかし，脂肪交雑に最も影響を及ぼす肥育中期に，イネWCSを多給した場合の血中ビタミン濃度の推移や肉質への影響は明らかにされていない。 本実験は肥育中期を含む全肥育期間を通してイネWCSを多給した場合の血中ビタミンAおよびE濃度，並びに肉質に及ぼす影響を明らかにする事を目的に行った。