トマト幼植物の地上部あるいは地下部に与えたカルシウムおよびリソの吸収と転流

摘要

カルシウム剤の葉面散布という観点から，~(45)CaCl_2を射いたトレーサ実験を行い，トマト植物体からのCaの吸収、転流能をKH_2~(32)PO_4を対照として比較検討した．1）葉施与の場合，Caほ施与した同一葉中の先端方向への転流は認められたが，根や上位葉など他の器官、部位への転流は，施与8日後も認められなかった．一札Pは葉の表よりも裏からよく吸収、転流され，根や上位葉など他の器官、部位へもよく転流した．2）茎施与の場合，Caほ施与した部位から上位へよく転流したが，Pでは少なかった．3）葉柄基部施与の場合，Caの吸収、転流量は施与器官、部位中で最も多く，植物体先端葉と施与近傍の上位葉への転流が多く認められた．Pは施与部位から根や上位葉など他の器官、部位への転流が見られたが，その量はかなり少ないものであった．4）根施与の場合，Ca，Pともに植物体全体へ転流したが，その量はPで多かった．