火山灰土壌の多様性の解明 —アルミニウム—腐植複合体の機能を中心に—

摘要

火山灰土壌（軽石ゃスコリアを含む火山砕屑物を主な母材とする土壌）の典型であるAndosolあるいはAndisolは 世界の陸地の1%未満を占めるに過ぎないが，多くの人口 密集地域を支える重要な土壌資源とされている.日本にお いては，黒ポク土 （Andosol, Andisolに相当する）は国土 の約17%を占め，褐色森林土に次ぐ分布面積をもっとさ れてきた.近年の包括的な土壌分類体系の整備とそれに伴 う土壌型分布面積の推定から，黒ポク土の分布面積は褐色 森林土と同程度であるとされている（それぞれ国土の約3 割）.火山灰の影響を受けた土壌は黒ポク土に分類される 土壌以外にも，ポドゾルゃ褐色森林土などの一部に存在す る.このように，火山灰土壌は日本の重要な土壌資源であ り，その重要度はこれまでの認識よりも高まったというこ とができる.また，分布面積の推定値が大きく変わりうる ことは，火山灰土壌の実態の把握がいまだに不十分である ことを示している.