シリ一ズ一地域食品研究のェクセレンス（第4回) 庄内柿の機能性を活かした食品加工技術開発と商品開発

摘要

庄内柿は山形県庄内地方において収穫される力キ果実の総称で山形県の力キの総生産量（9000トン/年，平成24年) の約80%を占めている.庄内柿の主用な栽培品種は渋力 キの一種である'平核無'(Diospyros kaki L.cv.Hiratanenashi) であり.本品種は山形県が全国一位の栽培面積（804ha,平 成23年）を誇っている.また，山形県鶴岡市は'平核無' 発祥の地としても知られ，庄内柿は昭和初期以降には庄内 地域を代表する果実として栽培されてきた.しかしなが ら，近年，消費者の嗜好の多様化や価格の低迷，農業従事 者の高齢化もあって，庄内柿の生産量は年々減少してい る.さらに出荷の際に，庄内柿の選果場では多量の規格 外果実が発生しているが,これまで，ほとhど加工食品に 利用されることはなかった.また，近年，カキ果実の生理機能について.抗ウィルス.抗ガン，血圧低下，抗糖尿病 や悪酔いの防止作用等が報告されているものの，その活性 成分.作用機構も含めて，必ずしも十分な検討がなされている訳ではない.