身近な野菜.果物approxその起源から生産…消費まで（22): ニンニク

摘要

ニンニクは世界的にみて最も重要な香味野菜である。 和食では比較的馴染みの薄い食材であるが，世界各地の 料理をみるとニンニクが欠かせない食材となっている例 が多い。ニンニクは古代ェジプトや古代ローマで利用さ れていたことを示す記録があり，栽培の歴史は非常に古 いが，近縁の野生種と思われる植物が見つかつていない ため，原産地は特定されていない。農作物の起源の研究 で有名な植物学者ニコライ'バビロフは，その原産地を 中央アジアと推定している。筆者は約10年前からニンニクの収穫後処理技術の研究に携わってきた。その中で呼吸速度や凍結，芽.根の伸 長などに対する温度反応性を調査したが,予想を裏切る ユニークな反応に出会うことが多く， ニンニクは非常に 興味深い研究対象であると感じている。