連続した屋敷森が夏季日中の集落小気候形成に及ぼす影響

摘要

茨城県つくば巿洞下集落には、集落を囲むように連続した屋敷森が形成されており、冬季の防風効果等が明らかにされている（橋本ら，2010)。本研究では、屋敷森が夏季日中の集落気候形成に及ぼ す影響の検証を目的として、集落小気候の実測調査と住民へのヒアリング調査を行った。 【調査の概要】小気候調查は2017年7月27 . 31日および8月2 、 3 . 7 . 24日に、日中（13時および15時）を主 として行った。観測対象地域および観測点を図1に示す。洞下集落の屋敷森が形成されている地域（エリア A)と屋敷森が消失した地域（エリアB)に観測点を設定した。徒歩による移動観測と時刻補正のための定 点観測を行った。ァスマン通風乾湿計を用いて気温および湿度を、ビラム式風向風速計を用いて風向およ ぴ風速を観測した。定点では日射計（英弘精機：MS-802)を用いて全天日射量を観測した。ヒアリング調 査は2017年7月6日に行い、9名の住民に対しそれぞれ約5~20分のヒアリングを行った。