群飼後のホルスタイン種雄子断における乾草採食行動の同期化と空間行動

摘要

群飼養されている牛では、採食行動は行動パターンが同期化し、一斉に行われることが知られている。したがって、利用可能な飼槽数や飼槽幅が限定されていると、同期化の形成過程で採食時の各個体の距離は必然的に狭くなる。 一方で、Kondoらは子牛群の空間行動について、群飼後の平均最近接個体間距離は減少する傾向にあったことを報告している。このような傾向が採食時の空間行動にもあてはまるとすれば、群飼後間もない期間では、最近接個体間距離は数や幅の限定された飼槽で同時に採食を行なう頭数を制限する要因となり、同期化の形成過程に影響を及ぼす可能性がある。