「進もうとする道に三叉があったらどうする？」「拾って使えぱいいじやh！」 …岐路に立つ「草地学」への「共生」的アプローチ

摘要

「千葉でマイコトキシンの国際シンポジウムがあるhだよ ね。菅原君も行ってみる？」と，研究室長。「古賀さhも来る みたいだよ。」「古賀さh」は，研究室での前任者にあたる， 石川県農業短期大学（現.石川県立大学）の古賀博則教授。 草地試験場（現、農研機構畜産草地研究所）に何とか職を得て2年を経た1999年の秋。大学院での土壌糸状菌ゃ線虫 による植物病害の研究（と言えば多少聞こえはよいが，実質 的な作業は概ね畑での穴掘り）から一転，植物病原菌一般に 加え，研究室の先輩諸兄が先鞭を付けた植物共生糸状菌（ェ ンドファイト）を牧草育種に活用する研究を，「ゲノム」や 「共生の成立.維持機構」なども見据えて進めるべし，という 話になり，話の複雑さに悶々とすることが多い毎日だつた。 古賀さhをはじめとする諸先輩から直接，いろいろとご助言 を頂けるのであればありがたい。期せずして「エンドフアイ ト」には，分泌するマイコトキシンによる家畜中毒との関連 で国内でも注目が集まっており（雑賀.前嶋1998),千葉での シンホシゥム(International Symposium of Mycotoxicology '99)には海外の著名なェンドフアイ卜研究者達も招聘される ことになつていた。エンドフアイ卜のゲノム研究の第一人 者，米国'ケンタツキー大学のChristopher L. Schardl教 授，エンドファイトの人工接種を世界に先駆けて成功させた ニュージーランド.AgResearch草地研究所のGarry Latch 博士。