携帯型端末によつて取得した反射光スぺクトルによる草地植生の 把握および乾物草量と牧草中硝酸態窒素含量の推定

摘要

草地の生産性や収穫物である牧草の品質を把握するためには，多くの労力と時間が必要である（川村、秋山2012)。特 に草地植生は不均一であるため，場所により草地生産性ゃ牧 草品質の差が著しい（美濃ら1995;川村、秋山2012)。また， 草地の経年化によって植生は変化する（美濃、斉藤1996)。 そのため，現地において簡易な方法で草地生産性や牧草品質 が判定できることが望まれている（佐々木ら2014)。草地の植生や生産量，牧草の品質，土壌の状態.草地管理 状況を把握する方法として.衛星画像やドローンによる画像 を利用したリモートセンシング技術が急速に発展してきてい る（美濃ら1998;川村'秋山2012)。しカゝしな力《ら，これらの 機器から得られるデータを有効に活用するためには，現地に おけるスペクトル計測精度の向上が必要である。また，スぺ クトル計測量の蓄積により.反射光スぺクトルセンサー直下 ばかりではなく ，例えばセンサーの測定範囲の辺縁部のデー タの活用も見込まれる（五味ら2011)。これらの機器は未だ 高価であり，野外で容易に携帯できるスぺクトル計測端末に よる草地生産性や牧草品質の測定法の確立が望まれる。近 年，携帯型の安価な反射光スぺクトル測定機器が開発された (佐々木ら2014)。この測定機器をベースに.スマートフォ ンと反射スぺクトル計測機を一体化させた携帯型端末の開発も進hでおり，これにより容易に高精度で反射光スぺクトルが測定できる時代もすぐそこにきている。