鶏の飼育作業の改善とRFIDタグを使った体重自動計測装置開発（第1報）

摘要

ブロイラー鶏は，日本全体で約6. 6憶羽（平成27年度）が食肉若鳥用として大量に出荷 されている.生産現場では個体差が生じないように種鶏が作られているため，鶏の個体を視 覚的に見分けることが困難な状況にある.また，ひな鶏は出荷まで約2か月半の期間で急速 に成長させるため特徴点の変化が大きく ，それが個体別の管理を難しくする要因になって いる.個体管理としての体重測定は鶏の足にタグを装着し，一羽一羽あらかじめ割り当てら れたID番号を視覚的に確認しながら，手で鶏を抱えて計測している.手作業での測定作業 は鶏に対するストレスの供与や，1羽ごとの体重計測と記録に5分から10分の作業を要す るなど負担が大きく ，生産管理上での問題となっている.本研究は鶏への負担が少なく ，正 確に体重の生育記録が記録できることを目標にIoT技術の畜産分野への活用の基礎研究と して市販のRFID Tag, RFID受信機，ロードセル（歪ゲージ）で構成した体重自動計測装置 (以下，試作機）を試作し，受信機の選定と性能調査を行った.