飼料イネの低コスト栽培技術開発

摘要

飼料イネは，水田で栽培され，乾草やサイレージに調製されて利用される。 全国的にはサイレージ利用の稲発酵粗飼料が主流を占めている。 稲穂の国、日本で，稲を家畜に給与することなど想像できなかったことであるが，稲発酵粗飼料の全国の栽培面積（農林水産省生産局）は，平成10年（1998年）48haから徐々に増え，平成15年（2003年）5,214haまで急激に拡大した。 昨年度はやや減少し，4,375haであったが，稲発酵粗飼料は全国的に認知されたと考えられる。 稲作の文化の中でゼロであった，家畜用の稲栽培技術がイチを勝ち得た段階と言えよう。 このために，現場と直結する栽培研究では未曾有のことが多かった。 この度の畜産大賞の受賞者以外の多くの関係者と共に，諸課題を克服し，現在の現状を勝ち得たと考える。