高品質調製技術開発

摘要

近年，水田転作作物として飼料イネ（稲発酵粗飼料）が注目され，各地で急速に年産、利用が進hでいる。 飼料自給率の向上を目指し，水田基盤を活用できる適作物として注目されているものである。 平成15年度の作付面積は5,214haに拡大し，現物量として15万t余が供給された。 収穫物はサイレージ（乳酸発酵）調製されるが，材料草の特徴から長期安定性に不安があった。 第1図，第1表のように発酵基質となる可溶性炭水化物（フルクトース，グルコース，サッカロース）含量が低く，また，付着乳酸菌数は飼料用トウモロコシなどと比較して少ない。 さらに茎の中空構造などからサイロ内の残存酸素量が高くなF），安定したサイレージが得られず，酪酸やアンモニア態窒素の多い劣質サイレージになり易い点が指摘されてきた。 このため，生産現場で活用できる技術開発として，新規乳酸菌の開発，予乾後のアルカリ処理，埋草密度と発酵品質の関係，事前発酵乳酸菌技術など，高品質化に向けた技術開発を行ってきた。 本編は新規乳酸菌「畜草1号」の開発と活用法について紹介する。