神奈川県における各種トスボウイルスの発生状況と防除対策

摘要

トスボウイルスは牡界的に多くの農作物に被害を及ぼし，古くはトマト黄化えそウイルス（TSWV）の発生の確認から現在は18種以上が報告されている（国内の発生状況については他報告を参照）。神奈川県においてトスボウイルスの発生が初めて確認されたのは1974年2月で，TSWVが施設栽培のトマトにおいて発生した。 その後は2000年2月にインパチェンスネクロティツクスポットウイルス（INSV）が施設栽培のフロクス（ハナシノブ科Phlox属）及びミムルス（ゴマノハグサ科Mimulus属）において発生，2003年4月にメロン黄化えそウイルス（MYSV）が施設栽培のキュウリにおいて発生，2003年10月にアイリスイエロースポットウイルス（IYSV）が施設栽培のトルコギキョウにおいて発生したことが確認された。 現在，本県には以上4種類のトスボウイルスが発生しており，様々な農作物に被害を及ぼし，その対策に苦慮している。 本稿では神奈川県におけるこれらトスボウイルスのこれまでの発生状況、経過及び防除対策試験について述べたい。