カロテノイドに係わるいろいろな遺伝子組み換え作物

摘要

抗酸化作用のあるカロテノイドは，野菜の高機能性成分として注目されています。 そのカロテノイドの生合成経路に係わる酵素や遺伝子の多くが明らかになっており，実験室ではいろいろな遺伝子組み換え作物が作られています。 カロテノイド合成経路の最初の化合物フィトエンを合成するフィトエン合成酵素遺伝子に種子特異的に発現するような調節領域をつけて，カナダ産ナタネ（カノーラ）に導入したところ，種子のカロテノイド含量は非組み換え体の50倍，新鮮重1gあたり1，000～1，500 mu gとなったそうです。 カロテノイドが多い野菜であるトマトやニンジンですら新鮮重1gあたり50～200 mu gですから，いかに多いかがおわかりいただけると思います。