食の安全，安心のための政策大網のポイント

摘要

BSEの発生，食品の表示問題に関するトラブル，輸入農産物から検出された残留農薬問題など，食の安全性にまつわる不正，ごまかしの事件が相次いだ昨今。 ことにBSE（狂牛病）は人にも感染する垂∴大事件として世間の耳目を集め，国産ものに対する信用を大きくおとしめる発端となった。 従来は，「顔の見える」生産者からの安心食品として，国産農産物の消費拡大が図られていたものが，立場逆転，いまでは「輸入肉を使用する安心のお店です」と謳う飲食店が現れる状況になっている。 加えて，度重なるニセ表示供給の露見は，農業者あるいと農業関係者全体に対する製造者責任，供給者責任を問う流れをつくり出してもきている。 こうした情勢下，国産食料品の信頼回復はもちろhのこと，国民の健康保護を最優先とする新しい食品行政に的確に対応していくための指針として，農林水産省は2月，「食の安全，安心のための政策大綱（中間とりまとめ）」を作成した。 3月20日までは，同大綱の地方意見交換会（全国8ブロックで開催），あるいは同省ホームページへの書き込みで広く意見を募集し，施策に反映させていく考えだ。 以下，同大綱（中間とりまとめ）のポイントをみた。