冬の自然の寒冷外気を利用した 籾の超低温貯蔵

摘要

わが国では古くから玄米貯蔵と玄米流通が一般 的に行われている。玄米貯蔵は、籾を収穫後に乾 燥し直ちに籾摺して玄米を紙袋や樹脂袋に入れて 農業倉庫などに貯蔵する。玄米貯蔵には、常温貯蔵と低温貯蔵とがある。 常温貯蔵では、倉庫内の温度制御をおこなわずに 玄米を貯蔵する。そのため、春から夏にかけて外 気温度が上昇すると倉庫内温度が高くなり、害虫 (コクゾゥムシゃコクガ）が発生する。害虫が発 生すると、必要に応じてボストハ一べスト農薬(殺 虫剤）を使用することもある。常温貯蔵では害虫 や温度上昇のために米の品質劣化が大きい。これ に対し低温貯蔵では冷却装置を使い年間通して倉庫内温度をほ。C以下に保つ。そのおかげで、害虫の発生や米の品質劣化を抑えることができる。 全国各地にある玄米の低温狞蔵倉庫の貯蔵能力は2010年で464万tとなっている。