酪農における担い手政策の現状と課題－北海道を中心に

摘要

まずはじめに、酪農経営の担い手の現状を理解するため、統計にもとづきわが国の平均的な酪農経営の姿をみてみよう。全国の酪農家戸数は約2万4千戸、乳用牛飼養頭数は153万頭（経産牛飼養頭数は100万頭）、生乳生産量は約800万トンである。 これを1戸当たりでみると、経産牛飼養頭数は全国平均で41頭、北海道に限ると60頭となり、すでにEUの主要国の平均的な飼養規模（フランス、ドイツとも36頭（2005年））を凌駕する水準となっている。また、1戸当たりの生乳生産量は全国平均で約330、北海道では約470。 租収益は、ごく大雑把にいえば、全国平均で約3千万円、北海道に限れば約4千万円に及ぶ。1戸当たり飼料作物作付面積は全国平均で22、北海道に限ると53となっている。 ちなみに、わが国の農家1戸当たりの平均経営耕地面積は2彷弱にすぎない。