ケニア共和国の園芸農業を中心とした技術協力の方向性（その9）--観光資源の活用を考慮に入れた園芸農業の活性化に関する考察--

摘要

ケニアのローカルマーケットにおいては，イギリスやドイツのようなヨーロッパ諸国で大量消費されているトマトやタマネギが販売されており，両者のシェアも高いといえる．しかし，土壌条件，農家の施肥などの栽培管理について調査してみると，そこには不適切な管理状態にあることが気になってならなかった．そこで，今まで報数を重ねながら，肥培管理の充実が必要であることを強調してきたが，これの充実を図って，高品質な野菜を生産することが，小農にとってどのようなメリットがあるのか？ これがエクスポートマーケットを対象にするのであれば，他国との競合に打ち勝つためにそれは必要であると同意してくれる方もおられると思うが，国内のローカルマーケットでそこまでやる必要があるのか？ という疑問が生ずるものと考える．これは当然の理由であり，小農にとってメリットがなく，マーケテイングの活性化につながっていかないのであれば，まったくの無意味である．