液体炭酸散布法による九州北部での人工降雨、水資源の有効性

摘要

科学的な人工降雨実験が始まって，すでに70年 が経過している.これには，ヨウ化銀法，ドライア イス法，散水法，液体炭酸法（Fukutal988)などが ある.前3者は実験がうまくいけば，ある程度の降 水が得られるが，大量の水資源が得られる方法では なかった.一方，液体炭酸法は世界で初めて1999 年2月に九州大学で実験され，成果を挙げるととも に(Fukuta et al.2000),同年10月にも成功している (Wakimizu et al.2002).その後，明確な成功事例が ない空白期間が続いたが，2006年2月より同年11 月，2007年1月のように，多くの実験で成功してい る(Maki et al. 2012).最近では2012年2月，2013 年3月，5月，12月（4地点，8回），2014年，2015 年などである(Maki et al. 2013 ； 2014 ； 2015a, b ； 2016, 2018).ここでは2013年12月26日に佐賀県 唐津市（33.5°N， 130°E)の海上の上空で実施した 液体炭酸散布実験について解説する.