協働の観点からみた森林づくり活動の運営方法に関する研究—滋賀県における流域森林づくり委員会活動を事例として一

摘要

森林、林業政策のなかでも，協働（多様な地域課 題の解決やより質の高い公共サ一ビスの実現を目的 とする住民を構成メンバーとする自主的、自発的な さまざまな活動主体をはじめ広く 「民」と行政との 対等な立場での協力関係[1])の重要性が強調されるようになっている.平成23年7月に閣議決定さ れた「森林、林業基本計画」では，以下のように， 国民全体による協働の必要性が強調されている. 森林の有する多面的機能の発揮のためには，森 林の適正な整備及び保全並びに林業、木材産業 の健全な発展に向けて関係者が一体となって努 力していくだけでなく，森林を社会全体で支え ていこうという機運を醸成し，国民の幅広い理 解と具体的な行動を促すことが必要となる.(「森 林、林業基本計画」[2], p.9,下線部本稿著者） また，地方自治体においても同様の動きが存在する. 滋賀県においては，2004年に琵琶湖森林づくり条例が施行され，2005年には，琵琶湖森林づくり 基本計画が策定されている.