隔絶的集落での移動需要とコミュニティ畏交通の可能性高槻市樫田地区を対象として

摘要

市街地から離れた農山村地域は基本的に車社会であるが，運転技能を持たない子供や高齢者が自ら移動する手段は，乗合バスなどの公共交通の利用以外に無い。 しかしこうした地域では需要の絶対量が少なく，それが運行本数や路線の削減，高額な運賃につながり，利用者の意向に沿えていないのが現状である。 こうした問題に対処するため1DRTに代表される新しい交通システムの導入が近年注目を浴びているが，未だ対策が遅れている地域も当然ながら存在する。 そこで本研究はこうした取り組みが未導入の地域へのアンケート調査を基に，利用者の利便性向上と乗合バス路線の合理化を目指し，現地での既存の交通システムにおける問題点の整理と住民が望む形のコミュニティー交通の方策提案を目的とする。 そして特に，既存の公共交通への乗車機会数増加を主題とし，運行経費の試算を具体的な数字で表そうというものである。