被災地の復興に向けた拡大コミュニティの可能性 一シンポジウム「中山間地域フォーラムinもりおか」の記録一

摘要

中山間地域フォーラム（佐藤洋平会長，2012年秋に NPO認可）では，地方研究会と銘打って，その地域の 特性および折々の話題に合わせたテーマによるシンポジ ゥムを毎年秋に開催している。たとえば2011年秋の「中 山間地域フォーラムinにいがた」では，「長期的な震災 復興対策-新潟県中越地震発生後7年を迎えて-」とい う夕イトルで，この地震により甚大な被害を受けた旧山 古志村など各地の復旧、復興の現状およびその間に直面 してきた課題について，この年の3月に発生した東日本 大震災（以下，震災)からの復興に向けての課題とも照 らし合わせながら話し合われた。さて，2012年秋には，「『拡大コミュニティ』による 震災復興」というタイトルで，「中山間地域フォーラム inもりおか」が開催された。ここで示された「拡大コ ミュニティ」という考え方，ならびに実際に見られる新 たな動きは，震災からの復興，さらには中山間地域をは じめとする農村の活性化のためのひとつの方策として期 待ざれる。本稿は,今回のシンポジウムの記録を通じて， この興味深いキーワードを多くの学会員と共有したいと いう趣旨のもと，シンポジウムに参加した若手ネットの 有志によって執筆されたものである。