通勤交流圏、転居交流圏設定法の開発と活動再編検討方法の提示: 鳥取県を対象とした分析

摘要

一般的に，通勤流動や転居流動は，その発生頻度は異 なるものの，地域住民にとつての重要な移動行為であり， 通勤や転居を通じて，より目的に適った生活を追求して いる。このうち，通勤流動は農村地域居住者の所得獲得 機会の利用可能性の多少やその変化を検討するうえで， 重要な意味をもっている。従来から，通勤圏の研究は数多く行われてきたが，通勤（通学）圏の設定では，（D中心都市への通勤者割合に一定の基準値（10%, 5%等）を設けて，それを基準に通勤圏を設定する方法1)や，② 因子分析や主成分分析の因子負荷量、固有べクトルや因 子得点、成分得点を利用して通勤通学圏を把握、分析す る方法2)，等が用いられてきた。また，転居流動（人口 移動）についても，移動パターンに関する研究が多変量解析を用いて行われてきた。