地域主体の育成と支援にかかわる 新しいソフト技術の確立

摘要

近年，都市と農村の整備水準の格差は次第に小さくな つてきた。また，多分に政治的判断によるものとはいえ， 施策面でも農業、農村整備事業予算が大幅に削減されている。他方，2000年以降，中山間地域等直接支払制度 や農地、水、環境保全向上対策のソフト施策が登場したが，農家あるいは受け皿組織には概ね好意的に受け入れ られている。農村計画における従来の開発対象は生産、生活基盤等 のハードウエアであつたが，今日では対象が住民や受け 皿組織に移りつつある。また，農村地域資源の保全と再 生という観点からも，ハード整備の重要性が相対的に縮 小し，資源管理主体をいかに再編強化していくかという， ソフト面（非ハード面）の重要性が増大してきた。