農村における組織の役職就任の決定要因 一ジェンダーの視点から一

摘要

農村地域において，人口減少や高齢化が深刻さを増し， 地域の活力が停滞する中で，組織活動や意思決定におけ る女性の参画の必要性力s提唱されている。農林水産省は，1998年に「農山漁村におけるパートナーシップの確立に ついて」の通知を発令した力s， 2005年には，農村女性の 社会参画を図るべきことを改めて通知している。また， 2005年末に閣議決定された第二次男女共同参画基本計画 では，土地改良区や集落営農等における女性の意思決定 参画を進めることを打ち出している。農業委員や農協役 員の女性人数は過去10年間で4倍近く増加したものの， 2008年時点で，前者は4.65%，後者は2.46%と，依然と して男性が占める割合が圧倒的に多い。これまで，農村における組織の役職就任を決定づける 要因については，様々な視点から研究が積み重ねられて きた（表1)。