地域振興にかかわる第三セクターの最近の動向ー岩手県の事例ー

摘要

1980年代より全国各地で地域振興を主な目的とした第三セクターが多数設立されるようになった。 そもそも第三セクターは，公的サービスを提供する組織を官民共同出資して設立することにより，民間の知恵を導入して，より効果的な公共サービスが提供できるという発想が原点にある。 しかし，公私の暖昧さが事業の立案から運営に至るまでの意志決定の責任を暖昧にする傾向が顕著に見られた。 そのために，バブル経済崩壊以降の景気低迷によって経営が悪化し，地域振興どころか自治体のお荷物になっている事例も少なくない。 このため，1999年には，自治省より各都道府県知事，各指定都市市長あてに「第三セクターに関する指針について」として，「地方公共団体にあってほ，関係する第三セクターについて経営状況の点検評価を行うとともに，運営改善や統廃合等に積極的に取り組むことが求められている。 」といった通知も出されるようになっている。