体験区画を併設した市民農園の実態と効果ー岐阜市の市民農園を事例としてー

摘要

都市近郊に立地する市民農園は，対象となる利用者の居住地からの臣巨離が多少大きくなる反面，大規模な農園用地を確保できるメリットがある。 この立地条件を活かして，市民農園に付加価値を付けて，利用者の魅力を増進させようとする試みが見られる。 例えば，農業公園の一部に市民農園を取り込hだり，宿泊や食事施設を併設したりする場合がある。本報で取り上げる事例では，市民農園区域の中の余剰農地を用いて，植付けや収穫等の農作業の一部分を体験し，収穫物を手に入れる農園を併設している。 これまでも市民農園にもぎ取り形式の農園を隣接させる事例は見られるが，あくまでも展示圃的で，市民農園経営の一環としての明確な位置づけを持っているものは少ない。 従って，市民農園の枠組みの中でもぎ取り形式の農園を議論した研究はほとhど見られない。