名古屋城内の植物相

摘要

1）名古屋城内の植物相を調査した．この結果，種レベルでシダ植物上6種，種子植物337種が確認された（表1，2）．2）名古屋城内の植物相において，木本性植物は，元来植栽された種が多く，自生種は比較的少ない傾向にあると推定された．これらの木本性植物の中には，天然記念物のカヤや”大城冠”のような江戸時代のツバキの園芸植物も認められた．3）名古屋城内の植物相においで　 草本性植物の多くは，元来名古屋城周辺に自生する種が残存したものと推定された．これらの中には，絶滅危倶植物のツメレンゲも認められた．4）名古屋城内での帰化植物率は約15％で　 この数値ほ，観光地にもかかわらずかなり低いと思われる．こうした現象ほ，庭園管理が行き届いているためであろうと推定された．