プロボフォール投与方法の 異なる麻酔法における酸化ス卜レスの比較

摘要

手術に伴う酸化ストレスは、免疫抑制や創傷治癒の遅延を弓Iき起こす可能性があるため抑制するこ とが望ましいと考えられる。静脈麻酔薬のプロポつォ一ルは抗酸化能を有しており、手術時の酸化スト レスを軽減させることがヒトで知られている。一方、ゥマでは麻酔薬が酸化ストレスに与える影響に関 する報告はない。本研究では、セボフルラン吸入麻酔下で関節鏡手術を実施したサラブレツド競走馬において、プロボフォール投与方法の異なる3種の麻酔法を実施した際の酸化ストレスを比較した。酸化 ストレス指標として、血中酸化ストレス度（bOS)および血中抗酸化力（bAP)を用いた。全群において bOSとbAPのいずれもが手術前と比較して手術終了時に有意に低下したが、いずれも麻酔群間での差は 認めなかつた。関節鏡手術を実施したサラブレツド競走馬において、プロポフォール投与方法の異なる 麻酔法が酸化ストレスに与える影響に差は認めなかった。