獣医核医学委員会の活動動向－とくに海外の馬に関する核医学実施状況とわが国での需要予測に関する調査について－

摘要

欧米の獣医学の水準に立ち遅れないようにと、最近わが国の獣医療に核医学を導入しようとする。動きがある。その活動の一端を紹介したい。 日本においても伴侶動物が人の福祉に大きな貢献を果たすことが認識されるにつれ、またこれら伴侶動物の寿命が延びるにつれ、悪性腫瘍や循環器病などの大幅な増加に対応しうる獣医療が求められている。 しかも人に対して行われている高度医療を動物にも適用するよう獣医師に畜主からの要求が強くなりつつある。 現在の獣医療はⅩ線診断や超音波診断に加えてⅩ線CT，MRI，放射線治療装置などの放射一線学診療機器が導入されるようになってきた。しかし、これら放射線学診療機器で得られる形態情報のみでは診療に十分必要な情報とはいえず、侵襲性が低く腫瘍の悪性度や臓器の機能情報が形態情報と同時に得られる核医学の要求が獣医界から高まっている。