超音波画像診断装置の選定のポイントと観察対象

摘要

わずか30年の問に超音波画像診断装置は様々な能力を身につけ，その総合診断能力は飛躍的に高まった。 今日，ヒトの医療現場ではなくてはならない画像診断装置となっている。 獣医領域でも特に伴侶動物の分野では循環器疾患や腫瘍性疾患の診断を中心に用いられ，多くの病院で使用されており，日本の伴侶動物業界における本装置の所有率はおそらく世界で最も高いと思われる。 一方，産業動物の分野では，NOSAIを中心に繁殖関連の診断用に，いわゆる「直検プローブ」をメインの構成とした装置の購入が広がった。今でも販売される本装置の多くは「直検プローブ付」であろう。 この種のプローブは防水性であり，また，「見たいもの」がプローブ近くにあるために超音波の到達深度を稼ぐ必要はないので高解像型となっている。 逆に，体表からの観察，特に成牛、成馬の検査には超音波の到達深度が深いプローブを必要とする。