新生子牛の 成長に伴うルーメン機能発達と細菌叢形成

摘要

牛が摂取した飼料はルーメンに共生する微生物によ り分解，発酵を受け，主要な栄養源へと転換される。 したがってルーメン微生物は牛の栄養獲得の根幹を 担っており.ルーメン発酵.すなわちル一メン微生物 の活性をいかに健全に維持するかが牛の飼養において 重要である。牛の生存において必要不可欠なルーメン 機能は生まれつき備わっているものではない。ルー メンは哺乳期から離乳期にかけて形態的、生理機能的 に大きく変化し，この時期にルーメン微生物の定着も 完了する。ルーメンの発達は，新生子牛が真の意味で 反芻動物になるためのきわめて重要なプロセスであ る。本稿では，ルーメン内の飼料消化と発酵の観点か ら，ルーメン機能の発達と細菌叢の形成について概説 する。