豚繁殖、呼吸障害症候群の地域に おける清浄化を目指した取り組み

摘要

豚繁殖、呼吸障害症候群(PRRS)は，養豚業界に最も大 きな経済損失を与える感染症のひとつとされu,近年，国 内外において，地域ぐるみでのPRRS清浄化を目指した活 動が報告されている2'3 4)。今回我々は，約8年間にわたる定期的な検査により，管 内のPRRSの浸潤状況の把握強化に努めた。結果，小規模 農場を中心として.オールァゥトゃパーシャルデポピュ レーションによらない複数の清浄化例が確認された。これ らを踏まえ，平成20年より「地域のPRRS清浄化」を具 体的目標に掲げ，清浄化を達成した事例とその要因につい て，養豚農家および関係者に情報発信し，農場防疫の徹底 を図る啓発活動を継続的に行った。啓発活動では，地域の PRRS浸潤状況地図や，家畜伝染病予防法における飼養衛 生管理基準とPRRS清浄化とを関連付けることなどによ り，啓発効果の向上を図った。一方，本病が蔓延している 管内3戸の陽性農場に対しては，平成22年より生産ステー ジごとの検査に基づく継続的な指導を行い，一定の成果を 得た。本稿では，これら一連の取り組みについて，その概 要を報告する。