乳房炎の原因を考える

摘要

牛の乳房炎は酪農経済に多大な損失を与える疾病であり，その発生状況は依然，減少傾向にはないのが現状である。 我が国の酪農は江戸幕府時代，千葉県の嶺岡牧に発祥するといわれているが，生乳の生産が開始され庶民に牛乳として世に出たのは，1863年横浜での生産が最初である。 我が国での乳房炎の歴史は定かではないが，おそらくその頃からすでに存在していたに違いない。 当時は手搾りによる搾乳であったが，1960年代からは機械搾乳となりバケットミルカーで搾乳するようになった。 その後多くの酪農家はパイプライン牛舎となり，近年では多頭飼育により搾乳形態もパーラーシステムへと変化してきている。