牛のウイルス性先天異常

摘要

家畜の先天異常は発生原因も発生形態も様々であるが，感染によらないものが散発的であるのに対し，ウイルス感染によるものは時には大きな流行を起こすこともある。先天異常は胎子死や流産，出生時の奇形や機能異常などの臨床的異常として現れる。しかし，流産や死産といった分娩常はしばしば妊娠動物のウイルス感染による母体の反応して起こることから，胎子感染の結果として起こるものは区別が必要である。急性，熱性のウイルス感染症では妊娠動物は妊娠を維持することができずに流産を起こすこあるいはミイラ胎子の分娩となる。豚では日本脳炎やパルボウイルス病，馬では烏鼻肺炎などで死流産が起こる。