虚弱子牛症候群の特徴と対処法

摘要

虚弱子牛症候群（Weak Calf Syndrome ： WCS)と は，「虚弱」といわれるいくつかの症状を併せ持つ「症 候群」を示す子牛の病態の総称であり，発病の原因を 臨床的に特定できないものをいう。「虚弱」の臨床症 状としては，子宮内発育遅延（Intrauterine Growth Retardation ：IUGR)と呼ばれる胎子期における発育遅延 や.胎子期における病原微生物の感染，出生時の難産， 初乳成分の吸収不全.先天性の免疫不全.出生後の感 染などが原因とされている。また，黒毛和種ではWCS の原因の1つとなる遺伝的不良形質であるIARS異常 症が報告されており.WCSの発生には遺伝的要因が 開与していることが明らかにされている。