RAPD分析による日本型水稲品種の品種識別

摘要

1996年度の福県における水稲奨励品種および準奨助品種は，主食用棟種8，かけ米としての酒造用榎種3，酒造好適米1，播種4の計16種類ある。 これらの品種の種子供給にあたっては，主要農作物種子法（昭和27年法律第131号）にもとづき，県下で指定された種子生産地において品種の純度維持を行いながら優良な種子の生産を行っている。 優良な種子とは，遺伝的純度が高いこと，発芽性や発芽率が高く健全であること，さらには粒の充実がよく斉－であり良質であることがあげられる。 これらの優良種子の条件の中で，純度が高いことは特に重要であるにもかかわらず，異品種の混入（機械的混入）や自然交雉，遺伝的な分離，突然変異等の要因のために，純度維持には大きな困難が伴っている。 現在，これらの異品種混入等の事故に当たっては。 混入したと思われる個体や次世代の草姿や形態的特性から品種識別を行っている。 しかし，この識別法は。 時間を要し，多大なる労力がかかるにもかかわらず決定的な識別根拠とはなっていない。