ミカンキジラミ幼虫と成虫に対する数種殺虫剤の殺虫効果

摘要

カンキツグリーニング病を媒介するミカンキジラミの発生抑制を考える上で，カンキツに登録のある殺虫剤，殺ダニ剤等既存の剤の組み合わせによって防除体系を作ることができれば周年ミカンキジラミの発生を防ぐことが可能になる。 そこで14種類の殺虫剤（一部未登録）をミカンキジラミに対して浸漬，散布あるいは樹幹塗布処理して，その後の死亡虫数を実験的に調べた。 その結果，DMTP乳剤とMEP乳剤は幼虫，成虫に対して処理1日後に90～100％の死亡率が得られ，速効的でかつ高い殺虫効果があると判断された。一方，イミダクロブリド顆粒水和剤とチアメトキサム顆粒水和剤は幼虫，成虫ともに処理5日後には100％の死亡率に達し，殺虫効果は高いがやや遅効的であった。これら2剤は残効が比較的長いことから防除体系の中心に位置づける剤であると考えられる。 今後野外での防除効果の解明や登録に向けた調査が期待される。