アブラムシ捕食性テントウムシ2種幼虫の人工飼料による飼育

摘要

耐久卵，ショ糖および酵母Y2Aを等量混合した基本飼料と，これにトリレバー粉末あるいは食用花粉粉末を添加した3種類の人工飼料を用いて，ナミテントウ幼虫およびヒメカメノコテントウ幼虫の飼育を試みた。 ナミテントウ幼虫は，いずれの飼料でも成虫が得られたが，羽化率や飼料調整の点から基本飼料にトリレバ一粉末を添加した飼料が最適と考えられた。 また，ヒメカメノコテントウ幼虫も本試験で用いた人工飼料を与えることで成虫が得られ，雄蜂児粉末以外の人工飼料でも飼育が可能であった。 しかし，蛹化率，羽化率が低く，また，羽化成虫の小型化が見られたことから，さらに改良が必要と考えられた。 安価な酵母Y2Aを用いた人工飼料は，ナミテントウ幼虫およびヒメカメノコテントウ幼虫の飼育が可能であり，大量増殖時の飼料に問わるコストを抑えることが可能と考えられた。