キユウリおよびピーマン上におけるスワルスキーカプリダニ(Amblyseius swirskii)の増殖と分散に及ぼす力ップ放飼法の効果

摘要

スワルスキーカプリダニの安定した利用法を開発するため，放飼作物上における増殖、分散に カップ放飼法が及ぼす効果について，葉上放飼法と株元放飼法との比較検討を実施した。試験は人工気象室内（15-30°C湿度60%,自然光）において，スワルスキーカブリダ二の餌となる花粉 ゃァザミゥマ等の微少害虫をほぼ除去した条件下で実施した。花を開花前に除去したポット植え のキユウリとピーマンにスワルスキーカプリダニを放飼した結果，両作物の放飼6日後の葉当た り虫数はキユウリおよびピーマンでは共にカツプ放飼区 < 葉上放飼区=株元放飼区となったが， 放飼13日目以降はカップ放飼区 > 葉上放飼区=株元放飼区となり，力ップ放飼区が他の放飼法に 比べ，作物体上での分散が遅れるものの，増殖性に優れていた。また分散部位は，放飼法にかか わらず放飼場所に近い中位から下位葉に多く生息する傾向が認められたが，概ね株全体に速やか に分散することが明らかとなつた。