馬の第三中手骨骨欠損に対する 海藻ァカモク因子経口投与の効果

摘要

馬の第三中手骨骨欠損に対して，海藻ァカモク因子の経口投与が骨再生に与える影響について評価した。健康なサラブレッド種4頭の第三中手骨に対し，直径3.2 mm,長さ5 mmの骨欠損を作製し， 対照として0日目から8週間目まで蒸留水100 mLを経口投与した。その後，8週間目から16週間目 まで1日1回海藻ァカモク因子18 mg/kgを蒸留水100 mLに溶解して経口投与した。骨欠損作成後4 及び8週間目にX線検査を，8週間目に16列マルチスライスCT検査を行った。X線検査では海藻ァ 力モク因子群の骨欠損作成後4及び8週間目のスコア中央値はそれぞれ2及び3であり，いずれも対 照群に比較して有意に高値を示した（P く 0.05) o CT検査では，海藻ァカモク因子群の骨欠損作成後 8週間目に骨増生が観察され，CT値は対照群(472.5 土 90.2)に比較して海藻ァカモク因子群(703.8 土 169.0)は有意に高値を示した（p < 0.05)。本研究により，海藻ァカモク因子は骨再生作用を促進する ことが明らかとなった。