牛ヨーネ病の検査と防疫

摘要

牛ヨーネ病は，結核菌と同じ抗酸菌に分類される ョ一ネ菌の感染による慢性消化器感染症であり，数 年にわたる潜伏期間の後に持続性の下痢，削痩，泌 乳量の低下等の臨床症状を示す。本病は家畜伝染病 予防法に規定された法定伝染病（家畜伝染病）であり，1998年以降は，搾乳牛および種雄牛等を対象に 定期的な全頭検査が実施されている。発生農場にお いては，「牛のヨーネ病防疫対策要領」に基づくまh 延防止策が図られ，清浄化へ向けた防疫対策が進め られる。全国的なサーベイランスや発生農場におけ る清浄化対策の強化にもかかわらず，近年も年間数 百頭の牛が摘発されており,発生が減少する様子は ない（図1)。牛ヨーネ病の発生は全国的に報告され ており，平成29年度は23の道県で374戸，817頭が摘 発されたが，その8割以上は北海道である（図1)。