乳汁中尿素窒素（MUN）と乳蛋白の相関表を利用した中小規模農家の飼育管理指導

摘要

事故率が高く，成績不良の中小規模農家において簡単にできる牛群の栄養バランスのモニターとして，乳検日に乳汁中尿素窒素（以下，MUN）を測定した。 MUNと乳蛋白の相関表を作成し，各農家の栄養バランスの問題点を見つけその改善を指導した。小規模牛群では一回の測定では問題の把握が困難であつたが，年数回測定，あるいは牛を乳量別に分けて相関表を作成することにより，栄養バランスのズレを発見することができた。 農家にて手に入る飼料を使って簡単な改善案をつくり実行させた結果，数戸の農家にて，その間題点をかなり改善することができた。 この方法は，代謝プロファイルテストによる指導が時間，労力面で困難な場合にも応用可能な簡単で有効な手段であると思われた。